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【スポーツトレーナー】怪我を早く治す方法は?最新の応急処置方法PEACE & LOVEを紹介!

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理学療法士

怪我した後にはRICEがいいんでしょうか?

ぴーすけ

RICE処置が一般的でしたが、最近はPEACE&LOVEが提唱されています。

理学療法士

PEACE&LOVEですか?初めて聞きました。

ぴーすけ

一番の違いはIcing(冷却)が無いことです。

理学療法士

なぜ、Icing(冷却)が無くなったんでしょうか?

ぴーすけ

2021年の研究でアイシングが肉離れの治癒を遅らせるということが新たにわかっています。

ぴーすけ

この記事ではRICEだけでなく、PRICEPOLICEPEACE&LOVEについて解説します。

RICEとは?

ぴーすけ

まずはRICEについて解説します。

Rest(安静)

Rest(安静)の主な目的と考え方は以下になります。

  1. 損傷した組織にかかる負担を軽減
  2. 酸素消費量を減少させて新陳代謝を最小限にする
  3. 治癒の促進
  4. 疼痛の鎮静化

ただし、過度な安静固定は痛覚過敏を引き起こしたり、関節拘縮や筋萎縮、骨や靭帯の弱化など軟部組織や結合組織に異常をきたす可能性がある為、注意が必要です。

Ice(冷却)

Ice(冷却)の主な目的と考え方は以下になります。

  1. 周辺組織の代謝の低下(二次的損傷の回避)
  2. 疼痛や腫脹の軽減
  3. 筋スパズムの軽減

以前まではスポーツ現場を中心にIce(冷却)は広く行われていました。

しかし、最近ではIce(冷却)が肉離れの治癒を遅らせると言われていますので実施するかどうか再考しても良いのではないでしょうか。

Compression(圧迫)

Compression(圧迫)の主な目的と考え方は以下になります。

  1. 腫脹の抑制
  2. 皮膚損傷が無い場合の止血効果

ただし、圧迫には強度や時間に関するエビデンスがあまり無いのが現状です。

圧迫の強度が強すぎると圧迫部より遠位に痛みや異常感覚(痺れ)、運動機能の消失などを招くリスクもあるので注意が必要です。

Elevation(挙上)

Elevation(挙上)の主な目的と考え方は以下になります。

  1. 出血の抑制を助ける
  2. 腫脹の軽減
  3. 合併症を抑制

スポーツ現場では急性期処置の一つとしてElevation(挙上)は広く行われていました。

しかし、Elevation(挙上)にはその効果を裏付けるエビデンスがほとんど無いのが現状ですね。

まとめ

こうしてについて調べてみると、スポーツ現場では必ずと言っていいほど実践されているのにも関わらず、エビデンスが少ないということがわかります。

怪我=RICEという短絡的な思考をやめる必要があるのかもしれません。

RICEの次にはPRICE、POLICE、PEACE&LOVEを紹介します。

PRICEとは?

ぴーすけ

PRICEについて解説します。

RICEにProtection(保護)をプラスした対応のことを指します。

Protection(保護)のみ説明していきます。

Protection(保護)

Protection(保護)の主な目的と考え方は以下になります。

  1. 損傷した組織にかかる負担を軽減
  2. 周辺組織の二次的損傷の予防

例えば、足関節捻挫(靭帯損傷)であっても、患部のProtection(保護)が無ければ、医療機関を受診するまでの間に二次的損傷が起こる可能性があります。

そのため、スポーツ現場においてProtection(保護)は医療機関を受診するまでに患部を悪化させないという理由で重要になります。

POLICEとは?

ぴーすけ

POLICEについて解説します。

RICEにProtection(保護)をプラスし、Rest(安静)をOptimal Loading(最適な負荷)に変更した対応のことを指します。

詳しくは下記の文献を参照してください。

PRICE needs updating,should we call the POLICE?

00_bjsportsTOC.indd (bmj.com)

Optimal Loading(最適な負荷)のみ説明していきます。

Optimal Loading(最適な負荷)

Optimal Loading(最適な負荷)の主な目的と考え方は以下になります。

  1. 関節拘縮(癒着)や筋萎縮を防ぐ
  2. 骨や靭帯の弱化を防ぐ
  3. 患部の治癒を促進する

リハビリテーションにおいて患部のRest(安静)ではなく、Optimal Loading(最適な負荷)をかけることは早期復帰につながるというエビデンスがあります。

しかし、一口にOptimal Loading(最適な負荷)といっても患部の回復状態によって負荷量は変わってくるため、医師の指示のもと理学療法士のリハビリが重要になります。

安全にOptimal Loading(最適な負荷)をかけるためにはProtection(保護)を併用していくことが重要といえます。

PEACE & LOVEとは?

ぴーすけ

PEACE & LOVEについて解説します。

詳しくは下記の文献を参照してください。

Soft-tissue injuries simply need PEACE and LOVE

Soft-tissue injuries simply need PEACE and LOVE (bmj.com)

RICE・PRICE・POLICEには無い部分を説明していきます。

Avoid anti-inflammatories(抗炎症薬を避ける)

Avoid anti-inflammatories(抗炎症薬を避ける)の主な目的と考え方は以下になります。

  1. 炎症は損傷した軟部組織の修復を助けるため抑制しなくてよい
  2. 炎症を抑制すると長期的な組織治癒に悪影響を与える可能性がある

炎症反応は組織治癒にとって重要な反応であり、炎症反応を内服薬やアイシングで妨げることで組織治癒が遷延させるのでやめましょうということです。

アイシングには鎮痛効果があるものの、炎症や血管新生、再灌流を妨げてしまい、好中球やマクロファージの浸潤を遅らせ、未成熟な筋線維を増やす可能性が指摘されています。

Education(教育)

Education(教育)の主な目的と考え方は以下になります。

  1. 対象者を受動的な治療に依存させない
  2. 能動的な治療が重要ということを理解させる
  3. 回復までの期間について対象者に理解させる

最も大切なのは受動的な治療に依存させないというところです。

受傷後早期に電気療法や手技療法、鍼治療などの受動的な治療を行うことが多いと思いますが、それよりも能動的な運動療法の方が大切とも言われています。

能動的な運動療法の大切さを受傷後早期から説明して教育していくことが重要ですね。

Optimism(楽観思考)

Optimism(楽観思考)の主な目的と考え方は以下になります。

  1. 心理的要因(破局感・抑うつ・恐怖)は回復の妨げとなる
  2. 心理社会的要因は病態生理学よりも症状を反映している可能性がある

認知行動療法に基づく自己効力感を改善する方法は足関節捻挫からの回復を早める可能性があると言われています。

Vascularisation(血流を増やす)

Vascularisation(血流を増やす)の主な目的と考え方は以下になります。

  1. 損傷した構造への血流を増加させる
  2. 運動療法有酸素運動は身体機能を向上させる
  3. 運動療法と有酸素運動によって鎮痛剤の使用量を減少させる

受傷後数日以内に有酸素運動を開始し損傷した構造への血流を増加させることが重要と言われています。

Exercise(運動)

Exercise(運動)の主な目的と考え方は以下になります。

  1. 運動によって再発率が減少するという強いエビデンスあり
  2. 亜急性期では最適な修復を促すために痛みを基準として運動を行う

Optimal Loading(最適な負荷)でも説明しました、がExercise(運動)やLoad(負荷)は早期復帰に必要になります。

患部の状態によって運動量は変わってくるため、痛みを基準に運動量をコントロールしていくことが重要です。

まとめ

怪我をした直後は”PEACE”に準じて対応し、数日間経過後は”LOVE”に準じた行動が重要となります。

時期を見極めて必要な対応を必要な時期に行えるようにしましょう。

まとめ

ぴーすけ

PEACE&LOVEについてまとめます。

理学療法士

ありがとうございました!