オイルマッサージとはどんなマッサージですか?
オイルマッサージにはメリットとデメリットがあります。
オイルマッサージについて教えて欲しいです。
この記事ではオイルマッサージについて解説します。
オイルマッサージとは?
オイルなどの潤滑剤を使用して行うマッサージのことです。
オイルマッサージを受けたり、行ったりする前にメリットとデメリットを把握しておきましょう。
メリット
広範囲にアプローチできる&してもらえる
オイルマッサージは圧をかけながら指や手を滑らせるので広範囲にアプローチすることができます。
指圧や揉捏といったマッサージでは一度にあまり広い範囲にアプローチできないので時間も労力もかかります。
施術者の負担を減らしながら、受ける側の満足度も高いのがオイルマッサージです。
揉み返しが起きににくい
「揉み返し」とは適切な刺激量を超えたマッサージを受けた翌日に痛みや重怠さが出ることを指します。
指圧などでは1か所に圧が集中しやすく、力加減によっては揉み返しが起こります。
オイルマッサージは圧をかけながら指や手を滑らせるので圧が集中しにくく、揉み返しが起きにくいといえますね。
潤滑剤による二次的な効果
オイルマッサージでは使用する潤滑剤によって「マッサージ」とは別の二次的な効果をプラスすることができます。
最も一般的でわかりやすいのはオイルによる肌の保湿効果ですね。
その他にもオイルの種類などによって様々な効果があるので目的に合った潤滑剤を選ぶと良いでしょう。
アロマオイルを使用することでさらに効果を高めることができます。
デメリット
皮膚を露出する必要あり
オイルマッサージでは皮膚にオイルを塗布して行うため、肌を露出する必要があります。
肌を露出することに対して抵抗感がある方もいるかもしれません。
そういった場合には別の方法を検討するようにしましょう。
オイルが残ってベタつく
オイルを使用することによって肌が保湿されるのはメリットでもあります。
しかし、オイルの粘度が高い場合や夏場など湿度が高い場合には過度にベタつく場合もあります。
オイルマッサージが終わった後にベタつくのが嫌な方も一定数いますね。
また、スポーツ現場においてオイルマッサージ後にテーピングを行う場合には皮膚に残ったオイルを洗い流す必要があります。
ベタつくのが嫌であれば下記のようなオイルフリーのリキッドもオススメです。
施術者にテクニックが必要
オイルマッサージを行うためには施術者にテクニックが求められます。
一定の圧をかけながら指や手を滑らせるのは意外に難しかったりします。
施術する頻度にもよりますが最低でも半年程度は練習が必要でしょう。
オイルマッサージの方法
ここではオイルマッサージの方法を紹介していきます。
準備するもの
オイルマッサージには下記のものが必要になります。
- トリートメント用ベッド
- マッサージオイル
- タオル
オイルの選び方
マッサージオイルは様々な種類が販売されています。
自分の用途にあったものを見つけられるよう少量ずつ購入するのがオススメです。
オイルの種類
主に下記のようなオイルの種類があります。
- ミネラルオイル
- キャリアオイル
- ブレンドオイル
ミネラルオイル
「ベビーオイル」といわれる薬局でも購入可能なコスパの高いオイルです。
石油から不純物を取り除いて精製されたオイルのため、アレルギーが起きにくく、保湿力が高いのが特徴です。
ただし、皮膚から浸透せず、膜を張ったようになるためアロマテラピーには向いていません。
キャリアオイル
「植物油」のことで化粧品やアロマテラピーに使われるオイルのことです。
植物の種類によって値段だけでなく、成分や効能が異なります。
皮膚から浸透するため、アロマオイルを希釈するのにも使われます。
ただし、天然成分を多く含むためアレルギーに注意が必要です。
ブレンドオイル
マッサージやボディケア用にブレンドされて販売されているオイルになります。
用途に合わせた配合がされており、香りなどもついているため、迷ったらこれを買っておけば大きな失敗は無いでしょう。
配合されているオイルによって価格はピンキリです。
オイルの粘度
オイルの性質で大切なのが粘度です。
「粘度」とは物体の粘りの度合いのことでマッサージオイルも種類毎に粘度が異なります。
マッサージのしやすさに直結する特性なので目的に合ったオイルを選ぶようにしましょう。
- 粘度が低いオイル
- サラサラとした付け心地
- 指や手を速く動かしやすい
- 弱い圧でのマッサージが行いやすく、浅層のアプローチ向き
- 粘度が高いオイル
- トロッとした付け心地
- 指や手をゆっくり動かしやすい
- 強い圧でのマッサージが行いやすく、深層のアプローチ向き
オイルの香り
受ける側がリラックスできる香りを選ぶようにしましょう。
キャリアオイルにアロマオイルをブレンドして好きな香りを作っても良いですね。
オイルの成分
オイルには様々な効能を持つ成分を含むものがあります。
マッサージの効果だけでなく、肌に良い成分が含まれたものを使用することで美容にも効果的です。
オイルの代用品
オイルが無い場合にはバター・ハンドクリーム・ワセリン・ジェル等で代用できます。
バター
バターとは食用では無く、化粧品に使用されるものを指します。
バターは常温では固形ですが、体温で溶けだすので手で温めてから皮膚に塗布して使用しましょう。
シアバター、カカオバター、アルガンバターなどが有名ですね。
ハンドクリーム
ハンドクリームは粘度が高いものが多く、皮膚から吸収されていきます。
そのため、使用する場合は局所的に短時間で使用しましょう。
ワセリン
ワセリンはハンドクリームと同様に粘度が高いため、使う場合には局所的に短時間にしましょう。
ジェル
超音波治療器や美顔器などに使用されるジェルで代用することもできます。
油分を含まないジェルであれば拭き取ったあとベタつく心配もないですね。
実施する際の注意点
ここではオイルマッサージ実施する際の注意点を伝えます。
傷口や肌荒れが無いか確認する
施術者、受ける側に傷口や肌荒れが無いかどうか必ず確認しましょう。
傷口や肌荒れがあるとオイルマッサージによって感染症や肌荒れが悪化するリスクが伴いますので別の方法を検討するようにしましょう。
施術者側の傷口であればニトリルグローブを使用することで実施できる場合もあります。
アレルギーの有無を確認する
オイルを皮膚に塗布する前に使用するオイルの成分にアレルギーが無いか必ず確認しましょう。
代表的なのはナッツアレルギーでマカダミアナッツオイルやスイートアーモンドオイルなどは使用を控えてください。
アレルギーがある場合はミネラルオイルを使用すると良いでしょう。
施術者の爪や皮膚のケアをする
施術者の爪が伸びていたり、皮膚が硬くなっていたりすると受ける側の皮膚を傷つける場合があります。
施術者の皮膚のケアが難しい場合には施術者がニトリルグローブを使用すると良いでしょう。
オイルの保管方法に注意
植物から取れるキャリアオイルは開封によって空気に触れると徐々に酸化していきます。
直射日光や高温多湿な環境を避けることも重要ですが、開封したら早く使い切るようにしましょう。
オイルの酸化が心配であれば、酸化しにくいミネラルオイルがオススメです。
スポーツ現場で実施する際のポイント
競技後やトレーニング後に行う
スポーツ現場ではリカバリー手段の一つとしてオイルマッサージが行われます。
翌日の疲労を軽減する目的で運動直後に行われることが多いですね。
運動直後に老廃物や疲労物質の排出を促すことを「フラッシング」と呼んだりします。
温熱療法と組み合わせる
温熱療法はクリームを使用したラジオ波やジェルを使用した超音波が一般的です。
どちらも温熱療法の後に残ったクリームやジェルをそのまま利用してマッサージを行うことができます。
温熱療法後で血流が良くなっているので一石二鳥ですね。
オイルマッサージ後に交代浴行う
オイルマッサージ後に交代浴を行うことで老廃物や疲労物質の排出を促進できます。
肌についたオイルを流すこともできるので良いですね。
マッサージのエビデンス
マッサージのエビデンス(科学的根拠)を紹介します。
オイルマッサージに絞らず「マッサージ」のエビデンスを紹介します。
下記の研究では運動後のアフターケア8種類(マッサージ・寒冷療法・ストレッチ・軽運動・加圧ウェア・冷水浴・交代浴・電気刺激)をトレーニング後6時間以内、24時間、48時間、72時間で比較したものです。
その結果、運動後の筋肉痛や疲労感に最も効果があったのがマッサージでした。
マッサージと他の方法を組み合わせることでより高いリカバリー効果が期待できそうです。
An Evidence-Based Approach for Choosing Post-exercise Recovery Techniques to Reduce Markers of Muscle Damage, Soreness, Fatigue, and Inflammation: A Systematic Review With Meta-Analysis
An Evidence-Based Approach for Choosing Post-exercise Recovery Techniques to Reduce Markers of Muscle Damage, Soreness, Fatigue, and Inflammation: A Systematic Review With Meta-Analysis – PubMed (nih.gov)
まとめ
オイルマッサージに関してまとめます。
メリットとデメリットを理解しましょう。
- メリット
- 広範囲にアプローチできる
- 揉み返しが起きにくい
- 潤滑剤による二次的な効果
- デメリット
- 皮膚を露出する必要あり
- オイルが残ってベタつく
- 施術者にテクニックが必要
マッサージオイルについて
- ミネラルオイル・キャリアオイル・ブレンドオイルがある
- オイルは粘度や香り・成分が異なる
- バター・ハンドクリーム・ワセリン・ジェル等でも代用可能
実施する際の注意点
- 傷口や肌荒れが無いか確認する
- アレルギーの有無を確認する
- 施術者の爪や皮膚のケアをする
- オイルの保管方法に注意
スポーツ現場で実施する際のポイント
- 競技後やトレーニング後に行う
- 温熱療法と組み合わせる
- オイルマッサージ後に交代浴行う
オイルマッサージの効果
運動後の筋肉痛や疲労感に最も効果があったのがマッサージ
ありがとうございました!