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【スポーツトレーナー】プロ野球トレーナーの仕事|メディカル担当編

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学生

プロ野球チームでメディカルを担当するトレーナーの仕事内容を教えてください!

ぴーすけ

この記事ではプロ野球トレーナーのメディカル担当の仕事について解説しますね。

どんな資格が必要なのか?

ぴーすけ

主に下記のような医療系資格が必要になります。

トレーナールーム内での仕事

メディカルリハビリテーション

選手のケア・トリートメント

ぴーすけ

これがメディカル担当のメインの仕事と言えます。

選手のケア・トリートメントのテクニックはスポーツトレーナーとしてメディカル分野を担当をするために欠かせません。

プロ野球のトレーナーは様々な資格の方が同じチームで働いており、テクニックも多岐に渡ります。

ここではテクニックの一部を紹介します。

マッサージ

マッサージは現場での需要も多く、プロ野球のトレーナーでメディカルを担当するのであれば必須のテクニックといえます。

あん摩・マッサージ指圧師のトレーナーを中心に選手のリカバリーやコンディショニングを目的としたマッサージを行なっています。

さらに下記のようなマッサージオイルベビーパウダーなどを使用して皮膚の抵抗を少なくしてマッサージを行うこともあります。

現場で最も需要のあるテクニックなのであって損はないと思います。

「頭で考える」よりも「身体で覚える」ことが重要ですね。

インストゥルメント

インストゥルメントは正確にはIASTMまたはISTMと呼ばれ、スポーツ現場ではポピュラーな治療方法です。

  • Instrument
  • Assisted
  • Soft
  • Tissue
  • Mobilization

インストゥルメント(Instrument)といわれる器具を使用して軟部組織(筋膜など)に対して用いる治療法になります。

海外で生まれた技術のため、多くののテクニックが海外から輸入されたものになります。

そんな中、唯一日本製のインストゥルメントを扱っているのがMORACT technic(モアクトテクニック)です。

海外製のインストゥルメントは皮膚に接する部分が鋭利で強い内出血を起こすことが多いように感じます。

日本の医療現場で治療の度に強い内出血を起こすとなると中々使用できません。

MORACTであれば接する部分が鋭利ではなく、海外製よりも内出血が起きにくくなっているのでオススメです。

ただインストゥルメントは高価なものが多いので、下記のような安価なものから導入してみても良いかもしれません。

カッピング

カッピング(吸玉,吸い玉)とは身体に陰圧になる器具をつけて皮膚や筋膜、筋などを吸引して行う治療のことを言います。

内出血痕が残るのが特徴的な治療になります。

カッピングに用いる器具にはプラスチックガラス硬い素材でできたものとゴムシリコンなど軟らかい素材でできたものが存在します。

下記のような硬い素材でできたものは吸引した状態でしばらく置いておきます。

下記のような柔らかい素材でできたものはマッサージオイルを併用して吸引した状態でカップ自体を動かしたり、カップをつけたまま関節運動を行ったりして使用します。

カッピングで使用する器具は比較的安価に購入でき、使用方法もシンプルで現場でのニーズもあるためオススメなテクニックの一つです。

物理療法機器による治療

ぴーすけ

物理療法を適切に使えると治療の効果を高めることができます。

物理療法を適切に使うことができると高い治療効果を出すことができます。

物理療法の世界にある3大物理エネルギーによる治療を知って使いこなせるようにすると良いでしょう。

3大物理エネルギーによる治療とは電流療法温熱療法体外衝撃波療法です。

電流療法

電流療法には主に下記の3つの効果があります。

  1. 鎮痛効果
    • 経皮的電気刺激(TENS)
    • 干渉波(IF)
    • 高電圧パルス治療(HV)
  2. 機能改善・向上効果
    • 低周波治療器(EMS)
  3. 組織修復効果
    • 微弱電流(MENS)
    • 直流電気刺激(DC)

スポーツ現場で使用することが多いのは鎮痛効果を狙った高電圧パルス治療(HV)組織修復効果を狙った微弱電流(MENS)です。

電流療法を実施するにあたって周波数、パルス幅、強度、波形一次痛(Aδ線維)二次痛(C線維)に合わせて設定することが重要です。

微弱電流(MENS)であれば下記のような持ち運びに便利なデバイスもあります。

温熱療法

温熱療法には下記の3つの種類があります。

  1. 伝導熱(表在温熱)
    • ホットパック
    • パラフィン浴
  2. 放射熱(軸射熱)
    • 赤外線療法
  3. エネルギー変換熱(深部温熱)
    • 短波療法(ラジオ波)
    • 超短波療法
    • 極超短波療法
    • 超音波療法

温熱療法の効果は組織温度の上昇によって引き起こされ、上昇した温度によって効果が変わってきます。

スポーツ現場で使用することが多いのはエネルギー変換熱の短波療法(ラジオ波)超音波療法です。

温熱療法を実施するにあたって目的とする組織に対して目的の温度上昇を起こすためには何を選択するべきか?を考えることが重要です。

また、これらの温熱療法にはコンビネーション治療といって電流療法を合わせて行える機器もあります。

こういった機器を利用することでより短時間で高い効果を出すことができますね。

ホットパック(伝導熱)であれば下記のような持ち運びに便利なデバイスもあります

体外衝撃波療法

衝撃波療法には下記の二つの種類があります。

  1. 集束型体外衝撃波
  2. 拡散型圧力波

集束型体外衝撃波を使用するには医師免許が必要ですので、拡散型圧力波について触れたいと思います。

拡散型圧力波は組織に衝撃(圧力)を加えることで組織をリモデリングさせることを目的とした治療方法です。

体外衝撃波療法は比較的新しい治療方法であり、今後様々な症例に対して使用することで新たなエビデンスが出てくると思います。

ゲーム前のテーピング

ぴーすけ

サポートする手段の1つとしてテーピングは重要です。

基本的なテーピングはスポーツトレーナーに必須のテクニックと言えると思います。

テーピングを貼付する目的を明確にすることが重要です。

固定

不要なストレスを防ぎ、悪化させないようにする目的で行います。

例えば、ゲーム中に捻挫した場合に病院に行くまでに悪化させないよう固定して免荷させながら移動させたり、リハビリテーション中に復帰するにあたって再受傷を防ぐ目的で貼付したりします。

目的とする固定の強さによって非伸縮性テープ伸縮性テープを使い分けることが重要です。

サポート

筋や関節の動きをサポートする目的で行います。

例えば、肉離れの既往があるハムストリングスに対して練習やゲーム前に再受傷を防いだり、機能低下を補ったりする目的で貼付します。

基本的には伸縮性テープを使用し、サポートする筋に沿うように貼付することが多いです。

誘導

身体の動きを誘導する目的で行います。

例えば、投げる時に疼痛のある関節にストレスがかかっている際、疼痛の少ない動きを誘導する目的で貼付します。

基本的には伸縮性テープを使用し、関節をまたぐようにして貼付することが多いです。

なぜテーピングを貼付するのか?ということをよく考えて貼付することが重要ですね。

トレーナールーム外での仕事

アスレティックリハビリテーション

エクササイズ指導・補助

ぴーすけ

メディカル担当もグラウンドで選手の対応をすることがあります。

エクササイズやトレーニング指導・補助をグラウンドやトレーニングルーム内で行います。

ストレングス&コンディショニング担当と重複しますが、障害予防の知識を生かしたエクササイズは医療資格保持者の方が強い部分です。

選手に「●●に対して何か良いエクササイズはないですか?」と聞かれることも多いので選手の身体的特徴を参考に個別性を持たせたエクササイズを指導することが重要です。

また、コンディショニングが目的の全選手を対象としたエクササイズはストレングス&コンディショニング担当が決めますが、エクササイズの指導・補助はメディカル担当も一緒に行っていきます。

スポーツセーフティ

ぴーすけ

医療資格を持っていても病院や治療院だとあまり経験しないですね。

スポーツセーフティはスポーツトレーナーにおいて必須の知識・スキルになります。

スポーツセーフティジャパンのホームページが参考になりますよ。

安全管理

スポーツ現場では”トリプルH”に対する知識や備えが重要です。

プロ野球トレーナーが安全管理において比較的遭遇しやすいものを紹介します。

  1. 頭部(頸部)外傷
  2. 熱中症
頭部(頸部)外傷

頭部(頸部)外傷は練習中の打球事故やゲーム中に投手の投げたボールが頭部に当たるデッドボールでも発生します。

練習中は野手による打撃練習の打球が飛び交い、その中で投手がキャッチボールやランニングをしているので選手に打球が当たる事故が発生してしまうことがあります。

打球や投球が頭部に当たる頭部外傷の内、脳振盪(のうしんとう)は知識が無いと目に見える症状が少なく、軽視されてしまうこともあります。

しかし、脳振盪は下記のことを頭に入れたうえで対応する必要があります。

熱中症

熱中症は暑熱環境によるところが大きく、屋外で日中行われるデイゲームは要注意です。

熱中症は重症度によって症状が異なります。

Ⅰ度であれば運動を中止し、適切な方法で休息をとることで回復しますがⅡ度以上だと医療機関の受診が必要になります。

医療機関の受診までに現場でできる事も重要です。

従来言われていたような腋窩や太腿の付け根を冷やすだけでは深部体温は下がらないため、全身が浸かれるアイスバスなどを準備しておくことが必須です。

ドーピング(薬・サプリメント管理)

プロ野球ではゲーム終了後にドーピング検査が行われることがあります。

最近では薬剤師でスポーツファーマシストの資格を持っている方と契約しているチームも増えてきました。

ドーピング検査で陽性者を出さないようにトレーナーやスポーツファーマシストを中心に内服薬サプリメントの管理を行うことが重要です。

内服薬

内服薬に関してはNPBから配布されるアンチ・ドーピングガイドという冊子やDINXといわれるアプリで禁止薬物が含まれていないかどうか確認してから使用します。

サプリメント

サプリメントに関しては主に下記の認証を受けたものを使用するように促します。

ただし、認証を受けたものを服用していたとしてもドーピング検査で陽性になった場合には自己責任となるので注意が必要です。

健康管理

ぴーすけ

健康管理もメディカル担当にとって重要な仕事の一つです。

健康管理もメディカル担当にとって重要な仕事の一つになります。

プロ野球トレーナーが健康管理において関わる機会が多いものを紹介します。

  1. 通院管理
  2. 栄養管理

通院管理

整形外科の通院が大多数を占めますが内科や皮膚科、耳鼻科、眼科などの受診が必要になることもあります。

現場で勝手に判断せず、医師の指示を仰ぐことで悪化を防ぐことが重要です。

内科

内科では感冒症状、発熱、胃腸症状によって通院することが多いです。

また、まれに血行障害による手指の痛み感覚障害でも受診することがあります。

皮膚科

皮膚科では湿疹や爪、切り傷のトラブルによって通院することが多いです。

湿疹などの皮膚疾患に対して市販薬で改善が無い場合には専門医を受診させます。

また、切り傷なども深さによっては通院が必要になることもあります。

耳鼻科

耳鼻科は花粉をはじめとするアレルギー症状によって通院することが多いです。

屋外の球場でゲームする際にはアレルギー症状が強くなり、パフォーマンスにも大きく影響します。

また、抗アレルギー薬は眠気を引き起こすものも多く、薬の種類や量、投与のタイミングなどを医師と相談しながら進めていくことが重要になります。

眼科

眼科は視力低下やボールが見えにくいなどの相談のため通院することが多いです。

野球では動いているボールを追うことが多く、わずかな視力低下が大きな影響を与えることもあります。

ボールが暗くて見えにくい、捕手のサインが暗くて見えないなどの相談をすることがあります。

栄養指導

パフォーマンスを高め、シーズン通して良い状態を維持していくためには栄養指導は必須です。

主に下記のようなことを行います。

  1. 食事のアドバイス
  2. サプリメントの相談
  3. 体重(体組成)管理

個々の体質、体組成の目標値、ポジション特性などに合わせて指導していくことが重要です。

どんなに良質な睡眠をとって、良いトリートメントを受けていたとしても栄養摂取が不十分であれば身体は思うようにリカバリーされません。

こういった啓蒙していくのもトレーナーの役割です。

まとめ

ぴーすけ

プロ野球トレーナーのメディカル担当の仕事についてまとめます。

学生

ありがとうございました!