擦り傷や切り傷に遭遇すると焦ってしまいますね。
擦り傷や切り傷は日常生活やスポーツ現場でも遭遇することが多いですね。
擦り傷や切り傷の対処方法を教えてください!
擦り傷や切り傷の対処方法について解説します。
擦り傷・切り傷の対処方法
擦り傷・切り傷の処置の仕方を紹介します。
擦り傷・切り傷は下記の手順で処置していきます。
- 止血する
- 流水で洗い流す
- 傷口の大きさや深さを確認する
- 傷口を乾燥させない
- 傷口を保護する
- 傷口を管理する
止血する
傷口を滅菌ガーゼや清潔なタオルなどで直接圧迫して止血します。
傷口に触れるガーゼは滅菌タイプを使用し、滅菌ガーゼの上からタオルやバンテージなどで固定できると理想的です。
身体を動かせそうであれば、傷口を少し高く上げておくことで止血を補助します。
直接圧迫しても止血できないような大きな傷や深い傷の場合には誰かに助けを求めたり、救急車を呼ぶようにしましょう。
流水で洗い流す
傷口を流水にて洗い流していきます。
流水で流すことで傷口に入った異物を取り除くとともに傷口の大きさを確認します。
傷口に直接消毒薬を使うと傷の治りが悪くなるので、余程不衛生な環境での怪我でない限り、基本的には使用しなくて良いと言われています。
スポーツにおいて水道が近くに無い環境で行う場合にには事前に洗い流すための水をボトルに入れて用意しておくと良いでしょう。
傷口の大きさや深さを確認する
傷口を洗い流し終わったら傷口の大きさや深さ、目に見える異物が残っていないかを確認します。
傷口が大きいまたは1mmを超える深さの場合、流水で洗い流しても異物を取り除くことができなかった場合は通院させた方が良いでしょう。
迷ったら安易に考えずに通院しておくことが重要です。
傷口を乾燥させない
傷口の大きさや深さに問題なく、目に見える異物も残っていない場合は傷口を乾燥させないように管理します。
以前は傷口を乾燥させる方が早く治ると言われてましたが、現在は否定されており、医療現場でも傷口を乾燥させない湿潤療法が用いられています。
傷口を乾燥させないようにワセリンまたは抗生物質入り軟膏を塗布すると良いでしょう。
- 化膿するリスクが低ければワセリンを塗布
- 化膿するリスクが高ければ抗生物質入り軟膏を塗布
抗生物質入り軟膏はテラマイシン軟膏aやドルマイシン軟膏であれば薬局などで購入可能です。
傷口を保護する
傷口へのワセリンや抗生物質入り軟膏の塗布が終わったら傷口を保護していきます。
環境によって絆創膏またはガーゼ付きの防水フィルムを使い分けると良いでしょう。
処置後に汗をかかず、水に触れる機会が少なければ絆創膏、運動による発汗やシャワー、お風呂、プールなど水に触れる機会が多ければガーゼ付きの防水フィルムを使用しましょう。
ガーゼ付き防水フィルムは防水性があり、個包装で滅菌されているため傷口を清潔な状態で保護しながら傷口が乾くのを防いでくれるので治りが早くなります。
使用方法もそれほど難しくありません。
絆創膏と同じようにで傷口を覆います。
最後に表面のフィルムを剥がします。
傷口を管理する
傷口は毎日、保護材を交換する際にチェックして管理しましょう。
徐々に傷口が小さくなっていて発赤や痛み、膿などが無ければワセリンを塗布して傷口を保護することを継続します。
傷口を確認した際に発赤が強い、膿が出てきている、痛みが強い場合には注意が必要です。
抗生物質入り軟膏を塗布しても改善がなければ病院に行きましょう。
準備しておくと良いもの
自宅やスポーツ現場に準備しておくと良いものを紹介します。
擦り傷・切り傷の処置をするために準備しておくと良いものを紹介します。
- ガーゼ(滅菌タイプ)&使い捨て手袋
- 水
- ワセリン
- 抗生物質入り軟膏
- 絆創膏&ガーゼ付き防水フィルム
ガーゼ(滅菌タイプ)&使い捨て手袋
傷口を直接圧迫して止血する際に使用します。
大きな擦り傷や深い切り傷でなければ使用しないことが多いですが、念のため準備しておきましょう。
感染予防に使い捨てタイプの手袋も合わせて用意しておくと良いですね。
水
擦り傷や切り傷は異物が付着していることも多いので洗浄用の水を準備しておきましょう。
スポーツ現場では事前に周囲の環境を調べて水が確保できるかどうか確認しておくことも重要です。
水を確保できない環境の場合には洗浄用ボトルに水を入れておくようにしましょう。
ワセリン
傷口を保護する絆創膏やガーゼ付き防水フィルムを使用する際に乾燥を防ぐ目的で傷口に塗布します。
化膿するリスクが低い場合にはワセリンを使用しましょう。
抗生物質入り軟膏
ワセリン同様、乾燥を防ぐ目的で傷口に塗布します。
ワセリンと異なり、化膿するリスクがある場合に使用するようにしましょう。
抗生物質入り軟膏はテラマイシン軟膏aやドルマイシン軟膏であれば薬局などで購入可能です。
絆創膏&ガーゼ付き防水フィルム
傷口を保護するために使用します。
環境によって絆創膏またはガーゼ付きの防水フィルムを使い分けると良いでしょう。
処置後に汗をかかず、水に触れる機会が少なければ絆創膏、運動による発汗やシャワー、お風呂、プールなど水に触れる機会が多ければガーゼ付きの防水フィルムを使用しましょう。
知っておきたい擦り傷・切り傷の専門知識
知っておきたい擦り傷・切り傷の専門知識を紹介します。
どんな小さな切り傷・擦り傷であっても感染症を引き起こす可能性があることを忘れてはいけません。
擦り傷・切り傷の面積や深さなどによって自分の手に負えないと思ったら病院を受診させましょう
特に下記のような切り傷・擦り傷には注意が必要です。
- 傷の範囲が広い or 傷が深い
- 不衛生な環境での受傷
- 打撲などを併発
- 頭部 or 顔面の傷
傷の範囲が広い or 傷が深い
傷口の範囲や深さで通院させるかどうかの判断は難しい場合が多いです。
止血できなかったり、傷口の大きさが手元にある絆創膏やガーゼ付き防水フィルムの大きさを大きく超えたりする場合には病院への通院を検討します。
絆創膏やガーゼ付き防水フィルムで覆えなければ、傷口を清潔に保つことが困難になる為です。
また、傷口の深さに関しては表皮層を超えて損傷している場合には通院を検討します。
表皮層の厚みは平均で0.1~0.3mmで部位によっては0.04~1.5mmほどの幅があると言われています。
そのため、1mm以上の深さがある傷口の場合は通院させることが望ましいです。
上記はあくまでも目安ですが、判断に迷う場合には通院して医師の判断を仰げば間違いないでしょう。
不衛生な環境での受傷
スポーツ中の擦り傷・切り傷で多いのが不衛生な環境での受傷だと思います。
受傷直後や経過を見ていく際に傷口に下記のような状態が確認されたら通院させましょう。
- 異物が入って洗い流せない
- 膿が出ている
- 周囲が明らかに赤くなっている
- 周囲が腫れてテカテカしている
- 数日経っても傷口の痛みが引かない
少し専門的な話になりますが、蜂窩織炎(ほうかしきえん)と呼ばれる細菌に感染して炎症を起こす病気があります。
蜂窩織炎の場合には発赤、腫脹、熱感、疼痛などが出現し、抗菌薬の投与などが必要になりますので症状がある場合には必ず通院しましょう。
打撲などを併発
スポーツ現場で多いのが打撲と擦り傷・切り傷の併発です。
打撲によって腫れたりや血管が傷ついたりすることによって血流が阻害されます。
また、打撲の症状ばかりに目がいってしまい、擦り傷・切り傷が軽視されてしまうこともあるでしょう。
打撲に対してアイシングを行う際に不衛生な氷嚢やアイスバックを使用することでリスクを高めることもあります。
打撲を併発している擦り傷・切り傷では感染のリスクを高める因子が多く、より慎重に対処していくことが重要です。
頭部や顔の傷
頭部や顔は他の部位よりも皮膚が薄く、出血しやすい特徴があります。
切り傷で止血に時間がかかる場合には通院して縫合したほうが良いでしょう。
また、スポーツ現場で頭部や顔に傷を負うということは頭部に衝撃が加わっているということを意味しています。
そのため、擦り傷・切り傷のこともそうですが頭部外傷についても頭に入れながら対処する必要があります。
まとめ
切り傷・擦り傷の対処方法についてまとめます。
- 切り傷・擦り傷の対処方法
- 止血する
- 流水で洗い流す
- 傷口の大きさや深さを確認する
- 傷口を乾燥させない
- 傷口を保護する
- 傷口を管理する
- スポーツ現場で準備しておくもの
- ガーゼ(滅菌タイプ)&使い捨て手袋
- 水
- ワセリン
- 抗生物質入り軟膏
- 絆創膏&ガーゼ付き防水フィルム
- 知っておきたい擦り傷・切り傷の知識
- 傷の範囲が広い or 傷が深い時は注意!
- 不衛生な環境での受傷は注意!
- 打撲などを併発しているときは注意!
- 頭部や顔の傷は合併症に注意!
ありがとうございました!